楽譜への向き合い方については、いろんな考え方があると思います。
こと合奏に関しては、暗譜を是とするか否かとか、書き込みの仕方の是非とか。
今回はどちらかというと、そう言った話とまた別な、
「まずは、楽譜通り、みんなで合わせて、きっちり演奏するとどうなるのか」
ということについて、自分自身がある程度経験を積んでやっと気づいたこと
について触れたいと思います。
楽譜通り、みんなで合わせて、きっちり演奏するとどうなるのか
スコアって、ご存知ですか?
総譜とも言いまして、要するに全ての楽器が何小説目で何をやっているのかをまとめて書いてある
楽譜です。指揮者が台の上に置いているやつです。
吹奏楽くらいの大きな編成のものになると、楽器の種類も豊富ですから十数段に登るそれはそれはごっちゃりとしたものになります。
それが一斉に音を鳴らすとジャジャーン!と、音が鳴るわけです。おお!迫力!
ジャジャーン!って、なんなんでしょう?
一斉に音が鳴って、厚みがあり、迫力のある音が聞こえてきそうですね。
でも、微妙にタイミングや音程、音のスピードなどが無秩序なものもひっくるめて
とにかく鳴っている状態も、ジャジャーン!という言葉に収まってしまうかもしれませんね。
さて、なんだか良いものなのかそうでないのか分からなくなってきませんか?
実は、すっきりとクリアになってきます。
色々なもののごった煮のようではなく、
・厚みや迫力はあるけれど、それぞれの楽器の音や動きはしっかりとわかる。
・同じメロディーでも曲が進むにつれて担当楽器が変わると音色が変わり、組み合わせでさらに多彩になる。
・音のスピードが揃うと音程も揃ってきて、不要なうねりが解消される。
というような感じです。
つまり、
「どれだけ大勢で複雑になっても揃うことが保たれている」
状態になります。
この傾向を感じるようになりたての頃は、音が減ってしまったのでは?何かを捨ててしまったのでは?
と一瞬不安になりましたが、ちゃんと聞けば、「こんなにいろんな音が鳴っていたんだ」と、
色々と見えてくるようになりました。
見えてくると、より楽しくなる
「自分の周りではこんなことをしているんだ」
「自分も同じようなフレーズがあったな。合わせてみよう」
「前の演奏の雰囲気を引き継いで。。。」
まるで、舞台で役者が自分の番になると入れ替わるような感じがしますね。
主張したり、引っ込んだり。
合奏でしかできないことを、楽しみましょう
機械的、事務的、そう言った傾向に寄ることは好みません。
ただ、一度きっちり演奏することで全体が見えるようにしてから、
全体で表現をつけていく、という練習の組み立ては
合奏でしかできないことだと思います。
コンクールが近いですね。
一つの合奏本番の節目に向けて、妄信的に詰めるだけでなく、
このような取り組み方はいかがでしょうか。